ホーム プレスリリース 50GeVから60TeVの宇宙線陽子スペクトルの高精度直接観測に成功し、10TeV領域でのスペクトル軟化を検出

50GeVから60TeVの宇宙線陽子スペクトルの高精度直接観測に成功し、10TeV領域でのスペクトル軟化を検出

記事公開日:2022.09.01

50GeVから60TeVの宇宙線陽子スペクトルの高精度直接観測に成功、10TeV領域でのスペクトル軟化を検出

CALETは約6年間の観測データを基に、銀河宇宙線の主成分である陽子のエネルギースペクトル50GeVから60TeVの領域での高精度観測に成功し、10TeV領域でスペクトルが軟化することを確認しました。この研究成果は、超新星残骸での宇宙線加速機構や銀河内での宇宙線伝播機構の解明に重要な貢献が期待されており、2022年9月1日に国際学術雑誌「Physical Review Letters」(オンライン版)に、同誌のハイライトとして“Editor's Suggestion”に選ばれて掲載されました。

図1: CALET により 50 ギガ電子ボルトから 60 テラ電子ボルトの範囲で測定された宇宙線陽子スペクトル。エネルギーが大きくなるにつれ急激に小さくなる流束のスペクトル構造を詳細に調べるため、縦軸にはエネルギーの 2.7 乗が積算されている。これまでの観測のうち、磁気スペクトロ メータでの測定結果(AMS-02)と、カロリメータでの測定結果(CREAM, DAMPE)を比較のため共に示した。

早稲田大学リリース

https://www.waseda.jp/top/news/83202

JAXA リリース

https://humans-in-space.jaxa.jp/kibouser/pickout/73380.html

論文情報

  • 雑誌名:Physical Review Letters 129, 101102, 2022 (Highlighted as Editor's Suggestion)
  • 論文名:Observation of Spectral Structures in the Flux of Cosmic-Ray Protons from 50 GeV to 60 TeV with the Calorimetric Electron Telescope on the International Space Station
  • 著者名:O. Adriani et al. (CALET Collaboration)
    Corresponding Authors: K. Kobayashi, P.S. Marrocchesi, and S. Torii
  • DOI:10.1103/PhysRevLett.129.101102
  • 紙面掲載:Volume 129, Issue 10, 1 September 2022