7.5 TeVまでの宇宙線電子のエネルギースペクトル測定に成功: 地球近傍の宇宙線加速源の可能性を示唆
記事公開日:2023.11.10
CALETは約7年間の観測データを基に、銀河宇宙線の電子(+陽電子)のエネルギースペクトルを10GeVから7.5TeVの領域で高精度に観測し、1TeV領域でスペクトルが軟化することを確認しました。加えて、TeV領域でのスペクトルの検証により、近傍加速源の存在を示唆する結果を得ました。この研究成果は、超新星残骸での宇宙線加速機構や銀河内での宇宙線伝播機構の解明に重要な貢献が期待されており、2023年11月10日に国際学術雑誌「Physical Review Letters」に、掲載されました。
図1:CALETによる10GeV-7.5 TeV領域での電子(+陽電子)のエネルギースペクトル。これまでの観測のうち、宇宙空間での測定結果(Fermi-LAT, AMS-02, DAMPE)を比較のためにともに示した。
早稲田大学リリース
https://www.waseda.jp/inst/research/news/75880
JAXAリリース
(未定)
論文情報
- 雑誌名:Physical Review Letters 131, 191001, 2023
- 論文名:Direct Measurement of the Spectral Structure of Cosmic-Ray Electrons + Positrons in the TeV region with CALET on the International Space Station
- 著者名:O. Adriani et al. (CALET Collaboration)
Corresponding Authors: Y. Akaike, S. Torii, H. Motz, and N. Cannady - DOI: 10.1103/PhysRevLett.131.191001