太陽変調の荷電依存性を高精度に検出
記事公開日:2023.06.13
CALETは2015年10月から2021年5月の約6年間にわたり、太陽活動に伴う低エネルギー銀河宇宙線の陽子・電子成分の強度変動(宇宙線の太陽変調)を高精度に測定し、太陽変調の荷電依存性を明らかにしました。またこれらの観測結果を太陽変調の理論モデルで再現することにも成功し、宇宙線の太陽変調にドリフト効果が重要な役割を果たしている証拠が得られました。この研究成果は、2023年5月25日に国際学術雑誌「Physical Review Letters」(オンライン版)に掲載されました。
図: (a)太陽黒点数(黒線)と惑星間空間磁場のカレントシートの傾き角(青点)。(b) CALETで観測された平均リジディティ3.8ギガ電子ボルトの宇宙線電子(青丸)と陽子(赤丸)の計数率と、Oule stationにおける中性子モニターの計数率(黒線)。青線と赤線はドリフト効果を考慮した太陽変調モデルによる計算結果。いずれも全期間の計数率の平均値で規格化している。
早稲田大学リリース
https://www.waseda.jp/top/news/90562 (日本語)
論文情報
- 雑誌名: Physical Review Letters 130, 211001, 2023
- 論文名: Charge-sign dependent cosmic-ray modulation observed with the Calorimetric Electron Telescope on the International Space Station
- 執筆者: O. Adriani et al. (CALET Collaboration), Corresponding Authors: S. Miyake, K. Munakata, Y. Akaike
- DOI: 10.1103/PhysRevLett.130.211001