宇宙線が銀河系内を伝播する様子の高精度観測に成功
記事公開日:2022.12.20
宇宙線が銀河系内を伝播する様子の高精度観測に成功
CALETは2015年8月から約7年間の観測を継続的かつ安定して行い、宇宙空間で二次的にしか生成されないホウ素(B)の8.4 GeV/n to 3.8 TeV/n領域の観測に成功し、炭素(C)との比(B/C)のTeV領域に及ぶエネルギースペクトルの高精度な観測結果を報告しました。この研究成果は、加速源や銀河系内での宇宙線伝播機構の解明に重要な貢献が期待されており、2022年12月16日に国際学術雑誌「Physical Review Letters」(オンライン版)に、掲載されました。
図:CALETにより得られた核子あたりのエネルギーで8.4ギガ電子ボルトから3.8テラ電子ボルトの領域で得られたホウ素(B)、炭素(C)、及びB/C比のエネルギースペクトルの観測結果を、他の観測結果と比較して示す。ホウ素と炭素のエネルギースペクトルの縦軸にはエネルギーの2.7乗が積算されている。黄色のハッチ領域はCALETの系統的誤差を表し、その他の観測の誤差は統計誤差のみを示す。
早稲田大学リリース
https://www.waseda.jp/top/news/86418 (日本語)
https://www.waseda.jp/top/en/news/77133 (English)
JAXA リリース
https://humans-in-space.jaxa.jp/kibouser/pickout/73470.html
JAXA きぼう利用ネットワーク 公式 Twitter
https://twitter.com/JAXA_Kiboriyo/status/1611249992978829312
EurekAlert!
https://www.eurekalert.org/news-releases/977769 (English)
論文情報
- 雑誌名:Physical Review Letters 129, 251103, 2022
- 論文名:The Cosmic-ray Boron Flux Measured from 8.4 GeV/n to 3.8 TeV/n with the Calorimetric Electron Telescope on the International Space Station
- 著者名:O. Adriani et al. (CALET Collaboration)
Corresponding Authors: Y.Aakaike, P.Maestro - DOI:10.1103/PhysRevLett.129.251103
- 紙面掲載:Volume 129, Issue 25, 16 December 2022