LIGO/VirgoのO3ランで観測された重力波源からのX,γ線放射の観測結果を発表
記事公開日:2022.07.01
CALETによるLIGO/VirgoによってO3ランで観測された重力波源からのX,γ線観測の結果が、Astrophysical Journal誌で発表されました。この論文では、CALETに搭載されたガンマ線バーストモニターによる7 keVから20 MeV領域のX,ガンマ線観測の結果と、主要検出器であるカロリメータによる1GeV以上のγ線の観測結果が同時に報告されており、単一検出器による6桁以上のエネルギー帯域での観測が達成されています。今回の観測では有意な結果は得られませんでしたが、上限値を与えることによって、重力波発生機構に関する制限を与えています。
図: 重力波イベントS190408anに対するγ線フラックスの上限値マップ。 カロリメータによる1-10 GeVのガンマ線フラックスの90%上限値をカラーマップとして示している。緑色の等高線はLIGO/Virgoの位置誤差領域である。赤と青の実線はそれぞれガンマ線バーストの硬X線モニターと軟ガンマ線モニターの重力波イベントの検出時刻における視野である。
論文情報
- 雑誌名: The Astrophysical Journal, 933:85 (16pp), 2022 July
- 論文名: CALET Search for Electromagnetic Counterparts of Gravitational Waves during the LIGO/Virgo O3 Run
- 著者名:O. Adriani et al. (CALET Collaboration)
Corresponding Authors: M. L. Cherry, Y. Kawakubo. - DOI: https://doi.org/10.3847/1538-4357/ac6f53
- 紙面掲載:Volume 933:85, Issue 10, 1 July 2022