CALETの観測により、星の元素合成で生成される最も重い元素であるニッケルスペクトルの観測に成功
記事公開日:2022.04.01
CALETの約5.5年間の観測データを解析して、これまで観測がほとんど行われていなかった宇宙線中のニッケル成分について、核子あたり8.8ギガ電子ボルトから240ギガ電子ボルトのエネルギースペクトルの観測結果をPhysical Review Letters に発表しました。
今回の結果は、先に発表した鉄と同様に、酸素までの軽い原子核のスペクトルに一般的に見られているスペクトルの硬化が存在しないことを示しており、今まさに活発に議論されている銀河宇宙線の加速・伝播機構のモデル検証のために重要な情報を提供するものです。
Direct Measurement of the Nickel Spectrum in Cosmic Rays in the Energy Range from8.8 GeV/n to 240 GeV/n with CALET on the International Space Station
O.Adriani, Y.Akaike, C. Checchia, et al. (CALET Collaboration)
Physical Review Letters 128,131103 (2022)