放射線帯に捕捉されたMeV電子の急激な減少が観測されたタイミングにおいて、EMICと共鳴したMeV電子が大気へ落とされるREP現象を観測
記事公開日:2022.03.07
米国の放射帯嵐探査機(Van Allen Probes)との同時観測データの解析により、放射線帯に捕捉されたMeV電子の急激な減少が観測されたタイミングにおいて、EMICと共鳴したMeV電子が大気へ落とされるREP現象がISSで共役観測され、さらに磁気圏の外へMeV電子が流れ出すシャドウイング現象が同時に観測されました。この結果は、2つのMeV電子消失現象が同時に働いている世界初の観測例(図)であり、Geophysical Research Letters誌で2022年3月7日にオンライン掲載されました。
図:CALET-CHDで観測されたREP(上段)、Van Allen ProbesのMeV電子の流束(縦軸は地球からの距離)(中段)、及び磁気圏境界(MP: magnetopause)の地球からの距離(下段)の時間経過から、同時観測が実施されたことがわかる。
EMIC-Wave Driven Electron Precipitation Observed by CALET on the International Space Station
Bruno, L. W. Blum, G. A. de Nolfo, R. Kataoka, S. Torii, A. D. Greeley, S. G. Kanekal, W. Ficklin, T. G. Guzik, S. Nakahira
Geophysical Research Letters、Vol.49, Issue 6, 28 March 2022, e2021GL097529